住みたい街

「今日、学校サボって図書館にいたでしょう?」と母親に言われたことがある。高校生のときのことだ。 わたしの知らない誰かが、わたしのことを図書館で見かけ、母親に密告したらい。当時のわたしは地元で面が割れていたのだった。

柔らかく感じやすい10代の頃のことだ。閉鎖的で排他的な環境に息苦しさを感じて生きていた。浅野いにおの世界だ。 早くここから出たいと思い、高校卒業をきっかけにひとり暮らしを始めた。実家からは通えない大学を選んだ。

「住みたい街」について考えた際、ふと、上記のエピソードが浮かんだ。当時のわたしは、誰もわたしのことを知らない街に住みたいと思っていた。 それが叶った今、後ろを振り返ると、少し寂しさを感じるようになってきたようだった。

書籍化記念! SUUMOタウン特別お題キャンペーン #住みたい街、住みたかった街

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by リクルート住まいカンパニー